『サヤ取りってなに?』
投資をされている方でも「サヤ取り」という単語を聞いたことが無い人が結構います。
では「サヤ取り」とは何でしょうか?「サヤ取り」は主に商品先物取引で行われる投資手法の一つです。
株式投資でも行われている手法なのですが、株式投資では、あまり行う人がいないために、耳にすることが少ないのだと思われます。
ではこの「サヤ取り」。どのような投資手法なのでしょうか?例を交えて紹介していきたいと思います。
例:
有名なコンビニチェーン店の「A社」と「B社」。この2つの会社の株価を調べます。
どちらも、コンビニ業界の大手チェーン店ですが、1年前に2社の株価を調べると、株価の差は1万円でした。
しかし、今日調べてみると差が8万円にもなっています。A社の株が高騰しておりB社は横ばいでした。
業績自体の伸びは、2社ともさほど変化していません。
同じコンビニで同じような業務形態なのに、一方は相当上昇しており、一方は変化無し。
「一時的に差が開いたのなら、また縮まるかもしれない」
このような考えで、2社の価格の「差」を狙う取引が「サヤ取り」です。
では、今度は商品先物取引で例を挙げてみましょう。
こちらでは、東京で売っている金の価格が1枚につき10万円でした。
それに対して、ニューヨークで売っている金の価格が12万円でした。
ということは、単純に考えて東京で買い込み、ニューヨークで売り抜けば、1枚につき2万円の利益が出ることになります。
同じ商品なのに場所により価格に「差」が出てくるのです。
このように、とにかく「差」に注目して売買する方法が「サヤ取り」と呼ばれる投資手法です。
株式の場合だと「全く同じ」という会社は2つとして存在しません。
似たような業績で営業内容が同じでも、経営者が異なれば方針も違うので、同じ評価を付けることはできないのです。
それが、株式投資で「サヤ取り」が行われない最大の理由となります。
しかし、商品先物取引は場所が変わっても商品は同じなので、条件が成立します。
その他にも、商品先物取引では為替や株式に比べて「サヤ取り」が流行しています。
むしろ「サヤ取り」=「商品先物取引」といわれる程、流行しています。
商品が同じであるというのと、もう一つ大事なポイントがあります。
それは、「限月(げんげつ)」の存在です。
限月があることで、株式や為替に比べて「差」が付きやすくなります。
株式や為替では「塩漬け」と呼ばれ、保有してから長期間待つことが可能ですが、商品先物取引は待つことができません。
その他にも「ガソリン」と「灯油」、「アラビカコーヒー」と「ロブスタコーヒー」など、株式よりも比較する対象が明確なのがポイントです。
実際の株式取引には、絵に描いたような「ライバル企業」というのはとても少ないからです。
そのおかげで、周期性が分かりやすいことが、商品先物取引で「サヤ取り」が流行する理由です。
「サヤ取り(実践)」
実際に「サヤ取り」は商品先物取引の売買の際にどのように行われるのでしょうか。
例えば、「ガソリン」を購入するときは、6つの限月から選択、購入します。
1月限、2月限、3月限、4月限、5月限、6月限と、6つの値段があるので、その中のひとつを選び、売買を行うのです。
「1月限と3月限の開きが8000円もあるな」
「過去にこの2つの限月の金額の差は8000円までだったな」
「じゃあ、これ以上は広がらないだろうから、縮まることを予想して売買をしようか」
という風に考え、過去のデータからそれ以上は離れることがないだろうと予想して売買を行います。
これが、サヤ取りを行う基本的な考え方となります。
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